DXとは、Digital Transformationの略語です。Transformationは「変容」という意味なので、DXを直訳すると「デジタルによる変容」となります。デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくことをDXと言います。
IT化とDXの関係は「手段と目的」
DXはデジタル技術の活用によって製品・サービスやビジネスモデルに変革をおこすものです。したがって、IT化はDXの手段であり、DXはIT化の先にある目的であると考えられます。
もちろん、IT化の目的が必ずDXである必要はなく、既存プロセスの効率化だけが目的であっても全く問題はありません。しかしながら、なぜITを活用したいのかが明確でないと、単に新しい技術を使ってみることだけが目的となってしまい、利益を生まないIT活用になる可能性もあります。
経済産業省が指摘する「2025年の崖」
DXを進めるための課題を克服できなければ、将来的に大きな損失を生むことは容易に予測できます。経済産業省は、これを「2025年の崖」と表現して警鐘を鳴らしています。
2025年の崖とは、2025年だけではなく、それ以降を含めてDXを実現できなかった場合に生じると思われる経済損失を示しています。経済産業省によると、企業がグローバルなデジタル競争に敗北し、システムの維持管理費がさらに高騰し、サイバーセキュリティや事故・災害による損失が発生することで、毎年12兆円にものぼる巨額の損失が発生するとの予測をしています。