電通総研の消費気分調査より
■「賢く節約(= 賢ケン節セツ)」は、現代生活者の基本マナー
日常的に節約を意識している人(いつも意識+ときどき意識)は、2009年を通じて8割弱に安定しています。一方、廉価のみを追及する態度は徐々に弱まり、日常生活の様々なシーンの中で節約をスマートに織り込む「賢節」的な消費スタイルが広がりつつあるようです。
■「節約と贅沢」のメリハリで、節約時代の最適解を探る動き
今日の生活者は、節約基調の中にあっても非日常的な贅沢を適宜楽しむことで、巧みに生活の質を上げています。メリハリ型消費スタイルの自認比率も、確実に上昇しています。仮に景気がリーマンショック以前の水準まで回復しても、支出総額は単純に膨らまず、メリハリを利かせた支出の濃淡が残る可能性が強いと思われます。
■2009年・生活者が選ぶ「話題・注目商品」ランキング
電通総研による調査(2009年11月)結果から、「2009年の話題・注目商品ランキング」(下表)が得られました。ハイブリッドカーや電気自動車に代表されるような、「5年、10年先でも主力商品として存在していそう」と思わせる骨太感のある大型商品が目立ちます。
1、ハイブリッドカー
2、マスク
3、国内低価格ファッション
4、エコカー減税
5、エコポイント
6、ETC
7、地デジテレビ
8、電気自動車
9、PB商品
10、わけあり商品
また、前年の順位と比較すると、2008年から09年にかけて、ランキング上位の話題・注目商品が大きく入れ替わったことも2009年の大きな特徴です。2008年のランキング上位の大半が2007年の継続だったことと比較すると、生活者の年収が減る中で顔ぶれが一新した2009年ランキングの意味するものは何でしょう?それは、「消費の最適解」が大きく変化しつつある、ということかと考えられます。5年、10年先に歴史を振り返るとき、現在は「消費スタイルの変革期」として認識されるのかも知れません。
■2010年以降のブレイク予想商品
・ 電気自動車(プラグインHV含む) ・ 電動スクーター ・ スマートハウス(ITで電力消費を極小化する家)・0円テレビ(ネットサービス加入が前提で) ・立ち食いフレンチ ・ 0泊2食旅行プラン ・ 値切り通販サイト・ 政治のネット活用(参院選×ツイッター) ・ シェアリングサービス拡大 ・ 会社員のアフター5ボランティア・ パパ育グッズ(男性的デザインの育児グッズ) ・ 強気応援グッズ(例えば、戦国武将気分になれるグッズ)・ 減築リフォーム(家族人数に合わせて家屋をコンパクト化)・ ワン札サービス(千円、一万円ポッキリ) ・ 羽なし扇風機 ・ 羽田空港発着の海外ツアー・ ハイブリッドエンジンのスポーツカー ・ 洋食系ネタの寿司(例;焼肉×寿司) ・ 3D映画 / テレビ・ 坂本龍馬ブーム ・ 平城遷都1300年 ・ テント泊の「本格おとな登山」
■2010年10月~12月の注目
10月
国勢調査・世界体操ロッテルダム大会・COP10名古屋
11月
APEC2010横浜・広州アジア大会
12月
東北新幹線八戸~青森完成