一般社団法人インターネット広告推進協議会は、「ネイティブ広告」について、掲載に関わる事業者の指針となるガイドラインとして、「インターネット広告掲載基準ガイドライン」を改定し、加えて「ネイティブ広告における推奨規定」を新たに策定した。
ガイドラインによると、ネイティブ広告の定義を「デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告を指す」としている。
ネイティブ広告は、その形式や機能が、媒体社やプラットフォーマーが提供する記事・コンテンツと一体感があるという特徴から、ユーザー(消費者)に 受け入れられやすい広告体験を提供するものと期待される一方、掲載方法や内容によっては、消費者が騙されたと感じやすいという課題が指摘されている。
今回策定したガイドラインは、当協議会の「ネイティブアド研究会」(2014年8月に活動を開始)の中で立ち上げた「ネイティブ広告審査分科会」に おいて、消費者保護の観点から、ネイティブ広告を掲載・配信する媒体社、プラットフォーマー、ネットワーク配信事業者が、自ら守るべきガイドラインとして 作成したもので、内外に広く啓発することを目的としている。
同協議会は、本ガイドラインが普及することにより、ネイティブ広告が、広告主、媒体社・プラットフォーマー等事業者および消費者の三者にとって有益なものとして、より安心して利用される環境が整う、と考えている。
【ネイティブ広告の定義】
デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告を指す。
【ガイドライン策定の論点と概要】
《広告表記および広告主体者の明示について》
ネイティブ広告を媒体社が編集する記事・コンテンツ であるとユーザー(消費者)が誤認することのないよう、広告の責任の所在を明確にするために、広告であることと、広告主体者が誰であるのかを明確にするこ とが必要である。ネイティブ広告を掲載・配信する事業者は、「インターネット広告掲載基準ガイドライン」の趣旨を十分に理解したうえで、それぞれのサービ スの特性に応じ、「ネイティブ広告に関する推奨規定」に示された原則に沿って、必ず広告表記および広告主体者の表示を行う。なお、具体的に明示する内容や 方法は、各媒体社等の判断に委ねるものとする。
《広告審査について》
ネイティブ広告の掲載にあたっては、「インターネット広告掲載基準ガイドライン」を指針とし、ユーザーに不利益、不 安、不信感を与えることのないよう、媒体各社が独自に定める広告掲載基準により必ず広告審査を行う。媒体社と同様に広告配信事業社においても、自社の基準 に基づいて掲載可否を判断し、基準に適合しない広告の配信を停止する等の適切な措置をとる。運用上、事前審査が難しい場合は、事後に掲載基準に適合しない ことが判明した場合は速やかに是正措置をとるなど、各社において広告掲載の適正化に努める。
【ガイドラインの公表】
「インターネット広告掲載基準ガイドライン」
および「ネイティブ広告に関する推奨規定」
http://www.jiaa.org/guideline.html
ネイティブ広告の定義と用語解説
http://www.jiaa.org/native_ad/nativead_words.html
■リリース
http://www.jiaa.org/release/release_nativead_150318.html