ソフトバンクCM、「桃太郎」をバッサリ au「三太郎」シリーズへの挑発行動か
ソフトバンクモバイルが2015年5月末に放送を始めたCMが、競合他社を「挑発している」と話題になっている。
au(KDDI)が桃太郎、浦島太郎、金太郎をモチーフにした「三太郎」シリーズを展開しているのに対して、ソフトバンクのCMではお婆さん が上流から流れてくるモモを捕まえそこない、そのモモは下流で鬼に一刀両断にされてしまう。明らかに桃太郎が殺されたことを連想させる内容で、auへの当 てつけだとの指摘も出ている。
このCMは、「白戸家」が全国を旅する「旅父」シリーズの一環だ。ソフトバンクでは、今回のCMについてもあくまで「『旅父』シリーズ第6弾となる最新作」と説明しており、他社のCMとの関連は否定している。
白戸家、「好感度」8連覇を「三太郎」に阻まれる
auは俳優の松田翔太さん(29)、桐谷健太さん(35)、濱田岳さん(26)をそれぞれ、桃太郎、浦島太郎、金太郎役に起用した「三太郎」 シリーズを放送している。15年4月8日にCM総合研究所が発表した14年度の「企業別CM好感度ランキング」では、この「三太郎」シリーズが1位に輝い た。そのあおりを受ける形になったのが、ソフトバンクの「白戸家」シリーズ。このシリーズは13年度まで7連覇していたが、14年度は2位に転落した。
そんな中で話題になっているのが、15年5月29日に放送が始まったCM「白戸家『岡山』篇」。白戸家の「お母さん」と「お父さん」が「ここ は、桃太郎のふるさとだと言われてるんですって」と話しながら、市原悦子さん演じるお婆さんが川で洗濯する様子を見つめている。
お婆さんは上流から流れてくるモモを捕まえようとするが、そこにお婆さんの携帯電話が着信。「はい、はい…」と話している間に、モモは下 流に流れてしまう。お婆さんが「あらあら、モモが…」と戸惑うが、なすすべはなく、お父さんは「歴史が変わったな」と嘆息。隣にいたサルやキジととも に、流れていくモモを呆然と見送る。
その後モモは鬼が島に流れ着いたのか、鬼に取り囲まれてオノかナタのようなものでバッサリと叩き割られてしまう。残酷に見える結末を迎えた直後に市原さんの声で「ここでもつながりましたとさ。ソフトバンク」とナレーションが入り、CMは終わる。
お婆さん役市原さんは長年にわたって「まんが日本昔ばなし」担当
市原さんは長年にわたって「まんが日本昔ばなし」(毎日放送)の声優を担当したことで知られ、ストーリーは「~しましたとさ。おしまい」で終わるのが通例。CMのナレーションで往年の名番組を思い出す人も多く、「キャスティングの妙」を指摘する声もある。
このCMはユーチューブでも公開されている。その説明文には、
「お父さんとお母さんが岡山県を旅していると、川上からアレが流れてきて・・・!?」
とあるのみだが、auを露骨に意識していると受け止める視聴者が大半だ。だが、ソフトバンク側の公式な説明は、そうではない。
ソフトバンク広報室は、CMの意図について、
「大分県の九重連山から始まり、その後熊本県の阿蘇など、昨年の秋から日本各地の風光明媚な場所を訪れてきたお父さん。今回の作品は岡山県の奥津峡を訪れる、『旅父』シリーズ第6弾となる最新作です」
とコメントを寄せた。あくまで「旅父」シリーズの一環で、特段他社を意識しているわけではないという説明だ。
まあこの手の話では普通の「公式見解」だろう。
CMの放送終了予定は未定だという。