2019年、ネット広告がテレビ広告を抜いた

2018年の『インターネット広告費』は、1兆7589億円で、日本の広告費(6兆5,300億円)全体の26.9%であり、『地上波テレビ広告費』は、地上波テレビ広告費1兆7,848億円 全体の27.3%だった。

2019年インターネット広告のうち、2019年の動画広告は 141%増の 2,592億円と予測され(サイバーエージェント調べ)、動画広告市場の89%のデバイスはスマートフォンとなる。2023年の動画広告市場は5065億円と予測され、3年後には現在の2倍の市場が予測される。

2019年度のYouTuber収益予測

YouTuberの収益は 
『再生回数(チャンネル登録者数×おすすめ動画×検索×外部流入)×広告単価×広告再生回数』

YouTuberのチャンネル登録者数100人以上が全体の41%  収益0円
YouTuberのチャンネル登録者数1,000人以上が全体の11% 収益100円〜10万円
YouTuberのチャンネル登録者数1万人以上が全体の2%   収益1万円〜50万円
YouTuberのチャンネル登録者数3万人以上が全体の1%   収益3万円〜200万円
YouTuberのチャンネル登録者数5万人以上が全体の0.6%  収益5万円〜300万円

筆者 socialblade.com より推測

スマートフォン動画が増え、5Gで100倍の動画となると文字を見るよりも動画で検索するという行動が一気に増え、YouTuberの収益も2倍〜5倍近くに増える。

反対にテレビ広告費がネット広告費に映ることにって、テレビ業界からのシフトも起き始める。タレント、歌手、スポーツ選手、先生業、士業、ありとあらゆるジャンルのチャンネルが登場し、企業にも動画チャンネル部門が登場し、動画編集プロダクションのニーズが生まれる。企業が専門的なYouTuberと企業案件としての取り組みから、専属契約や、社員YouTuberをも担当部署を持ち始める。

若年層だけでなく、シニアも動画検索で商品やサービスを選ぶようになるて…高齢シニアのYouTuberという需要も日本では起こりうる。そして、ウェブサイト構築と同様に、どの企業も動画チャンネルによる集客が当たり前となるだろう。世界とはちがった属性の日本型動画広告時代がやってくる。

2019年、新たな『デジタルディケード2020』を目前に控えて…

少子化で苦しむ日本ではあるが、『テレビ・ネイティブ』の50代以上と『デジタル・ネイティブ』の40代以上、『スマホ・ネイティブ』の30代未満が混在し、それぞれの属性によって大きくメディア体験が分離する『デジタルディケード2020』が始まる。

『テレビ・ネイティブ』世代は今まで同様の世界にスマホとの併用。『デジタル・ネイティブ』はオールドメディアも使いこなしながら。『スマホ・ネイティブ』はテレビなどのオールドメディアはまったく視聴しなくなる。大きくレイヤーが分断し、インプットする情報の質や量や回数が変わるので、価値判断が大きく変わる。そして、デバイスではなく、新たな嗜好の『デジタル・デバイド』が生まれるだろう。