複数回答で、多い順に以下のようになる。
1位 アドレス(立地) 78%
2位 駅徒歩 69%
3位 資産性(資産価値が落ちにくいこと) 58%
4位 生活利便性 53%
5位 周辺環境 48%
6位 通勤・通学のアクセスの良さ 41%
7位 規模(総戸数)があること 19%
8位 外観やランドマーク性 17%
9位 共用部の充実 11%
10位 タワーであること 6%
3位の資産性に最も影響するのは立地なので、何と1~6位までの全てで立地に関する項目が並んでいる。物件探しはまずは立地から探す証拠でもある。
購入前にブランドを認知していようがいまいが、自分が欲しいと思う立地に出てきた物件は見に行くのだ。そうなると、来場前にブランドを認知させる意味はない。なぜなら、集客は物件広告が行っているのであり、物件の最大の魅力は立地だからだ。こんな簡単なマーケティングの基本がまかり通らないのは、広告の誘惑に取りつかれているとしか考えられない。
広告が多いマンションほど購入は要注意、消費者調査の「衝撃結果」が裏付け
売れる物件は広告をしない
マンションは広告をしなくても売れる場合がある。例えば、表参道駅徒歩圏の南青山で販売実績がある売り主は、大規模物件の販売直後に広告なしで売り切っている。売れた理由の第一は好立地の希少性であるが、この物件の前に販売した別物件で集客した顧客への直接アプローチに加え、建築計画を周辺住民に告知する白看板(通称「お知らせ看板」)を見て問い合わせてきた顧客などにより、売り切ることができた。
また、ホームページへの掲載により高倍率がつき、「瞬間蒸発」した物件もある。品川駅徒歩圏の定期借地権のタワーマンションで、敷地は東京都の所有だ。相場が上昇していた中、販売価格はそのはるか前に決められており、いかにも割安な物件となっていた。ホームページには写真1つなく、申し込み方法がテキストで淡々と書かれるだけだった。それでも安ければ飛ぶように売れるのである。
広告が多い物件ほど売れていない
一方、売れない物件は広告ばかりが目立つ。ネット広告、新聞の折り込みチラシ、電車や駅での交通広告、最後の手段はテレビCMになる。
マンションの集客範囲は一般的に狭く、その場所に地理感のある地元住民が主な買い手になる。それを広域に集客するというのはどんな売り主でもかなり確率が低くなる。折り込みチラシにしても、1万枚まいて1人集客できればいいという「万に1つ」、つまり0.01%未満である。TVCMによる集客はそれよりさらに2~3桁悪い確率になるので、業界では「売れてない物件」として見られがちだ。
そもそも、首都圏の新築マンションは年間3万戸強しか供給されていない。首都圏の総人口は、約3400万人なので、ターゲットは0.1%ほどにすぎない。
そんなターゲットが狭い分譲マンションだが、最近ブランド戦略と思われるTVCMが多い。目的は主にブランド認知(「知っている・聞いたことがある」)を上げるところにあるが、それが購入にどれだけ寄与するかはかなり疑問である。なぜなら、先述の通り、物件探しは立地と価格が全てと言っても過言ではないからだ。