2023年の流行色/トレンドカラーとして選ばれたのは、次の2つ。
- ビバマゼンタ(Viva Magenta)
- ルミナスイエロー(Luminous Yellow)
流行色は、主に以下の2つの組織によって決められています。
- PANTONE
- JAFCA
それぞれの組織について、くわしく見ていきましょう。
PANTONE
世界的な色見本帳を出している企業「PANTONE」。PANTONEの色見本帳は、製品の色を決定するヒントとして、あらゆる業界で使われています。アパレルだけではなく、美容、インテリア、工業デザインなど、その範囲は広大です。
また、素材ごとにも色見本帳を提供しています。ペーパーやコットン、ナイロンなど、素材に応じても色の質感が異なるためです。PANTONEの色に対する真摯な姿勢を感じます。
PANTONE内には、企業に対しブランディングや製品カラーについてアドバイスするコンサルティングサービス「Pantone Color Institute」も。デザインにおける色の力、心理学までも活用したプログラムで、世界中のブランドと提携しています。
JAFCA
カラートレンドの研究や発信、色に携わるコンサルティングなど、「色」にまつわる事業を行っている協会が「JAFCA(一般社団法人 日本流行色協会)」です。1953年の創立以来、ビジョンとして「色で新しい価値を創造する(COLOR Makes Value)」を掲げ、産業界の「色」をリードしてきました。
翌年の流行色だけでなく、レディスウェアやメンズウェアの「カラートレンド」も発信し、季節ごとにトレンドカラーも出しています。JAFCAが実施するマーケット調査とインターカラー(国際流行色委員会)の情報をもとにカラーを選出しているため、信頼性が高いのもポイントです。
JAFCAが毎年12月に発表している「翌年を象徴する色(来年の色)」は、PANTONEが発表しているトレンドカラーと合わせて、さまざまな業界の製品作りで参考にされています。JAFCAは「流行色というだけでなく、その年や時代のムードを表したテーマカラーである」としており、時代を象徴する色選びにこだわりを持っているようです。
2023年の流行色/トレンドカラーは?
PANTONE:ビバマゼンタ(Viva Magenta)
PANTONEが2023年の流行色(カラー・オブ・ザ・イヤー2023)として選んだのは「ビバマゼンタ」。すこし濃いめの赤に黒が混ざったような色で、堂々とした印象です。
ビバマゼンタのカラーコードは以下のとおりです(PANTONE公式よりカラーを算出)。
カラーコード:#CE3256
RGB:206,50,86
CMYK:0,76,58,19
HSV:346,75,80
PANTONE公式ホームページでは、ビバマゼンタを以下のように表現しています。
- 私たちの精神に活力を与え、内なる強さを構築する手助けする色
- 天然染料が由来であり、もっとも強く明るい赤系統
JAFCA:ルミナスイエロー(Luminous Yellow)
JAFCAが2023年の色に選出したのは「ルミナスイエロー」。PANTONEが選んだビバマゼンタのように、躍動的で強さを感じる色とは打って変わり、心がほっと落ち着くような淡い優しさを感じる色合いです。「やさしさに包まれるイエロー」とも称しています。
ルミナスイエローのカラーコードは以下のとおりです(JAFCA公式よりカラーを算出)。
カラーコード:#FEF6B7
RGB:254,246,183
CMYK:0,3,28,0
HSV:52,28,100
ルミナスイエローの選定理由として、JAFCA公式サイトでは「優しく穏やかで、希望を感じさせてくれる色です。淡く柔らかい色は不安で固まった心にも無理なく入っていき、そっと癒し、明るい気持ちにしてくれるのではないでしょうか」と記されています。2020年から、誰も予想し得なかったパンデミックに不安を覚え、混乱した私たちの心を、そっと癒してくれるようです。
そのほか公式サイトでは、ルミナスイエローを表現するキーワードとして、以下のような言葉が挙げられていました。
- 多様性
- つながる
- 広がる
- 共生
- 癒される
- 光る
- immaterial(非物質)
- 適温
- グラデーション
- 浸る
- 境界があいまいになる
ということで、来年はこの色が流行る予定だそうです。