大京は10月20日に、2050年の住まいを構想した「THE LIONS JOURNEY」PROJECTならびに「THE LIONS JOURNEY」FUTURE VISIONの2つの特設サイトを公開した。
同社は、2023年4月に“人生には価値がある”というという新たなステートメントのもと、分譲マンションブランドを「THE LIONS」へリブランドした。
そして、新たなブランド浸透を図ることを目的とした全社員参加型の「DAIKYO NEXT ONE PROJECT」を始動。次の時代の人生の価値を高める住まいのアイデアを考える取り組みを開始したのである。
このプロジェクトの第一弾として始まったのが、2050年の人生の価値を高めるマンションビジョンの開発だ。同社プロジェクトメンバーは、ウェルビーイング研究の第一人者である石川善樹氏や、飛躍的な未来を構想するFuture Vision Studioの榊良祐氏などとのセッションを通じて、未来の住まいや生活スタイルがどのように変化していくのかなどを議論。暮らせば暮らすほど、環境や社会により良い再生と循環を生むシステムを見据えたレジデンスこそが、2050 年に生まれるであろう「人生の価値を高める」ための理想のTHE LIONSである、という方向性へとまとまった。
その構想から同社が提案したのは、海に浮かぶ移動型レジデンスだ。ゆっくりと海を進むマンションの窓から見える景色は日々変化し、各地のポートを巡る。そして、その土地土地を味わいながら人々は旅のように暮し、暮らすように旅をする。この「移動し続けるマンション」は常に多様な出会いや居場所を生み出し、人生の可能性を拓き続ける場として、これまでにない暮らし方が、サイトやムービーで提案されている。
コンセプトムービー
ちなみに「2050年」という年代は、「次世代のスタンダードを探る中で、2030年という課題が想起しやすい年代の少し先で、バックキャストした際に飛躍的なアイデアに繋がりやすい」という理由から定めたという。2050年に社会や環境がどのように変化し、その時代に暮らす人々の価値観がどのように変化しているのかを予測し議論した結果、「未知の設計」「多様な居場所の創出」「自然との共生」というキーワードにたどりついた。 こうして導き出された2050年の「人生の価値を高める究極のマンション」構想のもと、建築家の豊田啓介氏によってコンセプトイメージに落とし込まれた。
この未知とも言える新しいマンションのデザインにあたり、豊田氏は「広大な海という自然の中を移動する建築。だからこそ、“自然の中にお邪魔させていただいている”という感覚で建築物を作りたい。海上を移動することでむしろ生態系に対して貢献できるような、新しい価値を生む建築にしたいと考えました」と話している。
「マンションの屋上が渡り鳥のいい宿営地になったり、海上を浮遊するフロートの部分が魚礁となり、海洋生物に居場所を提供したり。人だけではなく、さまざまなスケールで生物多様性を育む場所にできないかと最初にイメージしました。またエネルギーに関しても、人間の暮らしによってただ消費するのではなく、波浪発電技術を使うことで、波の力を利用し、海上で暮らしているだけで、どんどんエネルギーを生み出していくことも構想しています」
10月20日から29日に開催された「DESIGNART TOKYO 2023」に、同社はこのコンセプトで参加。「THE LIONS JOURNEY 未知をゆくレジデンス」のモックアップや未来予想図などを展示した。