ライオンズマンションが55年目に初のリブランディング

オリックスの子会社で不動産会社である大京は、分譲マンションブランド「ライオンズマンション」を「THE LIONS」へリブランドすることを発表した。ブランド名の変更に伴い、ロゴを一新し、新たにステートメントを定めた。

10日に実施された「ライオンズマンションリブランディング発表会」において、代表取締役社長の深谷敏成氏は「社員が主体的に考え、当社が新しいステージへ進化していくために事業を見つめ直した結果、リブランディングに至った」と話す。

工業市場研究所の首都圏分譲マンション市場動向によると、2000年のピーク時には首都圏で10万戸あった供給も、現在は3万戸程度と大幅に縮小している。

1968年の「ライオンズマンション赤坂」の分譲以降、ファミリー層向けを中心に全国で38万戸以上のマンションを供給してきた同社。事業管理部長の外山裕氏によると、マンション価格の上昇を背景に、世帯年収800万円のファミリー層から、1200万円以上のパワーカップルへと顧客層が変化した。

また、一定の認知を維持しながらも、業界ポジションが相対的に低下していることも課題だったという。

これを受け、今回のリブランディングでは、ライオンズブランドの最上位であった「ザ・ライオンズ」を商品の中心帯とし、企画やサービスも向上させた、洗練と上質を兼ね備えた事業ブランドを目指していく方針を示した。

共通のデザイントーンとして“モダンラグジュアリー”を設定。ブランドステートメントを「人生には価値がある」と定め、ブランドムービーを作成した。

普遍性の高い、シンプルさを持ち合わせたデザインとした(Logo&V.I./Shun Kawakami、artless Inc.)。

新ステートメント。

ブランドムービー

CDを務めた榊良祐氏は今回のリブランドについて、「新たなターゲットである『パワーカップル層』に、どのようなメッセージが届くかを深く検討。自ら考え、納得したものを購入する彼らには、一方的な企業メッセージではなく、視座の高い企業思想にこそ共感するのではないか、という仮説の元、『人生には価値がある』という“THE LIONS”ブランドの思想を、キャッチコピーとした。そして、価値ある人生にふさわしいマンションとは何か?社員全員が自問自答し続けることで、ブランドを高めていく。インナーの視座の高める機能も持たせた」と話す。

「ビジュアルやムービーでも、社員の皆さまと議論し、理想の“THE LIONS”でのライフスタイルを描き、これのビジョンを現するために今後のあらゆるブランドアクションに繋がる位置付けとして制作した」(榊氏)。

また大京社内での新プロジェクトとして、全社員が参加する「DAIKYO NEXT ONE PROJECT」を始動。次なるニーズを先読みしアイデアを形にする、“調べ、創り、発信する”プロジェクトだという。

インプットフェーズでは社外の有識者による講座や顧客インサイトを得るための活動を導入。さらに「アウトプット」「発信」と、アイデアを形にして適切な手段で届けるための取り組みを実施。この3点を繰り返すことでターゲットに対する理解を深め、「社員一人ひとりの視座を高めて、会社全体で変革を目指していく」としている。

「DAIKYO NEXT ONE PROJECT」の構想。